「ネズミ」という名前の由来は、「人が寝ている間に食料を盗む、寝盗み」という説があります。由来通り、ほとんどの種類が夜行性です。特に秋から冬にかけて、食料のある暖かい家の中に侵入してきます。ネズミは、ダニ・ノミ・シラミ・外部寄生虫や内部寄生虫など、人間にとって衛生的被害を及ぼす迷惑な害獣です。さらに、伸び続ける歯を削るため、何でも噛んでしまいます。電気コードや配線などを噛まれることによる経済的被害も住みつかれると深刻なものになります。被害対策は、まず相手を知ることから始まります。ネズミとは、一体どのような生態の生物なのでしょうか。
ネズミは世界中ほぼどの地域にも生息しています。日本では、戦後不衛生な中、ドブネズミが多く繁殖していました。下水道が整備され住みやすい環境が整う都会部では近年、賢く身体能力の高いクマネズミが勢力をつけてきました。
ネズミを介して感染する病原体には、治療法の確立されていないものもあり、近年中国で多数の死者が続出するほどにもなりました。中国で大量のネズミがウイルスを媒介してしまったのは、毒餌を乱布してしまったという背景があります。その毒餌に対する耐性をつけた「スーパーラット」とよばれるネズミが出現しました。ネズミは学習能力の高い害獣です。毒を食べて死んだネズミを見て他のネズミが毒餌に食いつかなくなります。ネズミの耐性は子孫にも受け継がれます。効かない毒餌をむやみに乱用せず、繁殖してしまった場合は専門業者にご相談ください。
ネズミによる被害は以下のようなものが挙げられます。
- ノミ・ダニなどの二次感染による健康被害
- 病原菌による感染
- 咬害による経済被害
- 電気配線のショート、火災
- 配管や壁・柱などの建物被害
- 食品・加工品などの食害
- 糞による悪臭・衛生被害
- 死骸による悪臭
- 存在による感覚的被害
- 夜間の騒音による安眠妨害
- 目の前に出没するかもという心理的被害
生活にとって必要な穴も、ネズミにとっては都合の良い出入口です。種類によって侵入箇所は異なりますが、どこからでも侵入可能ということが以下の例からわかります。穴が広がっていないか、ねずみが通った形跡がないか、気になる場合は確認しましょう。※高い場所・安全確保が必要な場所はお声がけください。
近年、飲食店以外の店舗やオフィスでのネズミ被害が拡大しています。食べ物がない場所でも、ネズミにとって食べ物を得るための通り道となれば、被害が出るのも珍しくはありません。特に同じビルに飲食店が入っている場合や隣にある場合は注意が必要です。事務所等のオフィスで懸念されるのは、電気系統への影響です。OA機器などのケーブル類をかじられてしまうと故障だけでなくショートにより火災を引き起こす場合もあります。最悪のケースを想定した場合の被害は甚大です。ネズミが出没した場合は専門業者にご相談ください。
ネズミの住みにくい環境作りとは?
何よりも先に
片付けをする!
ネズミは紙や布を使って巣作りをしますので、布や紙のゴミがある場所もネズミを呼ぶ環境です。ねずみ算式という言葉があるように、巣を作られてしまうと爆発的に数が増えてしまします。隙間をなくし、死角となる場所をなくしましょう。
ラットサインを
見逃さない
ネズミは壁に沿って移動します。ネズミが通った後には、黒い汚れや糞尿・足跡がついていることがあります。穴があってその周りが黒ずんでいたらネズミの出入口のサイン!すぐに塞ぎましょう。金網やパテなど、簡単に噛まれないもので確実に塞いでください。
日本の家屋では主に、ドブネズミ・クマネズミ・ハツカネズミの3種類による被害が大半です。大型・中型・小型と比較すれば分かりやすいですが、単体で素早く動くネズミを見分けるのは困難です。以下の特徴を参考に、見分けて対策をしましょう。
主な3種の比較
ドブネズミ |
クマネズミ |
ハツカネズミ |
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《身体的特徴》
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《身体的特徴》
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《身体的特徴》
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《行動的特徴》
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《行動的特徴》
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《行動的特徴》
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《侵入経路の特徴》
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《侵入経路の特徴》
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《侵入経路の特徴》
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《糞の特徴》
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《糞の特徴》
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《糞の特徴》
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