文化財とは、人類の文化的な行動により生み出されたもののことを指します。
建造物、絵画、彫刻、工芸品、書跡、典籍、古文書など、さまざまなものが過去に生み出され、私たちの豊かな今日があります。現存する文化財は、木や紙、布や皮などの素材を使用しているものも多く、温暖多湿な日本ではカビや害虫などの標的になりやすくなります。国民の財産であるこのような文化財の維持管理も弊社では行っています。正しい知識と技術を日々磨いている弊社では、丁寧に心を込めて施工させていただいております。
弊社では、財団法人文化財虫害研究所の「文化財虫菌害防除作業主任者第1346号」の資格を平成16年に取得し、その後も資格更新を行いながら、この分野での施工工事を積極的に行っております。
また文化財認定された施設だけではなく、寺院・神社・古民家など、後世にわたって伝えられ、保存されるべき建物に対し、木部管理をはじめとして防虫・防獣・緑化管理にも取り組んでおります。
後世へと伝えるべき文化財を加害するのは、カビなどの菌や虫などの小さな生物です。
大切な文化財の天敵となる、主な害虫菌の例をご紹介します。
建造物を加害する生物
キクイムシ
- 1mm前後から大きくて数mm程度
- 日本産で少なくとも300種以上
- 甲虫目キクイムシ科
- 幼虫の頃から木材に穿孔(せんこう)し、成長するとともに移動する
ケブカシバンムシ
- 体長3.5~6.0mm。
- 夜行性で6~8月に出現する
- 褐色~灰褐色
- 短い毛で覆われている
- 古い建築物を好む
- 木の彫刻物や屏風を侵食することも
クマバチ
- 体長2cm
- 春~秋に活発に活動する
- 木材に穿孔(せんこう)して
巣を作るので、強度が失われる
美術品・書物を加害する生物
カビ類の微生物
- 絵画などの美術品
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- カワキアオコウジカビ
- アオカビ
- フザリウム菌
- チトロマイセス菌
- アルタナリア菌
- コウジカビ など
- 書籍
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- トリコデルマ菌
- アオカビ
- アルタナリア菌
- コウジカビ
- ヤマトシミ
- マダラシミ など
ヒメマルカツオブシムシ
- 動物質の繊維や角質を食う害虫
- 標本や書籍の装幀も加害する
文化財を守るための一番の対策はやはり、丁寧な掃除です。埃がたまりやすいところ、電熱を持ちやすいところ、湿気のあるところなどは害虫の温床となりますのでこまめな掃除をしてください。さらに定期的な消毒作業も必須です。弊社では下記の3つの要素に重点を置き、文化財保護に努めています。
- 防虫
- シロアリやキクイムシなど文化財を食害する害虫を駆除します。
- 防獣
- 小動物の床下への住み着きを妨げ、小動物が原因となる悪臭や虫の発生などの被害を防ぎます。
- 緑化
- 庭園の樹々や草花についた毛虫などの害虫を駆除し、緑化保全につとめます。